犬の足が痒い!趾間炎のお話、薬以外の対処法もあります。

犬の足を痒がる、よく足を舐める、びっこを引くなど、足の指の間の炎症『趾間炎』は動物病院によく来院される皮膚の病気です。
今回は、歯石取りで来院されたオーナー様に、かかりつけで皮膚の治療をしているとのことで歯の診察と共に少し見てほしいと相談され診察しました。

四肢の趾間に炎症が見られます。特に写真の部位は少しジュクジュクしていました。
アレルギーと診断されており内服薬とシャンプー、軟膏などを処方されているとのこと。
基本的な治療はされているようなので、日常のケアの方法などを少しアドバイスさせていただきました。歯の方で治療もあったため2週間後に観察すると赤みが全体的に引いてきています。
もう少し、ケアを継続していると次第に良くなってくるかと思います。
アレルギーやアトピーと診断された場合は、なかなか内服が切れなかったり、サプリメントや軟膏、シャンプー療法などいろいろなケアも必要になってしまう場合も多いです。今回は、歯周病のわんちゃんに多いケースの対策法を少しお話しし、難しいケアではなくとても簡単なケアで治療をしています。内服薬の追加などは行っていません。

歯周病は、皮膚炎など様々なところに影響が及んでいることも意外と多いです。ちょっとした疑問も相談していただくことで皮膚病など一緒に治療を行うことも可能です。お気軽にご相談ください。

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●こんな症状が見られたら、すぐにご相談・ご来院ください。

□よだれが多い、口の中がネバネバしている
□口の中が臭い
□歯石がついている
□歯茎が赤い
□口の中が出血している
□最近、歯が伸びたきがする
□歯がぐらついている
□食欲がおちてきた
□硬いものを噛まなくなった(食べなくなった)
□口を触ると嫌がるようになった

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大型犬の腹腔鏡下避妊手術もできます。

暖冬の新年、今週は気温も暖かく黄砂も車に積もったかと思いきや、あっという間に冬に逆戻り。今年初めて仙台でもまともに雪が積もりました!寒暖差も激しく、人も犬猫も順応が大変です。体調の変化にはくれぐれもお気をつけください。

今月は、大型犬の腹腔鏡下避妊手術もありました。
年末に、子犬のシベリアンキーちゃんの避妊手術のご相談を受け
2月にご予約をいただき先日実施しました。
大型犬はどんどん成長しますね。あっという間に大きくなってました^^
※画像はイメージです。

当院では生後5ヶ月位から避妊手術をおすすめしてます。
飼いはじめの時期は、混合ワクチンや狂犬病などの予防も重なるため、予防がひと段落するとあっという間に避妊&去勢手術の時期になります。
大型犬の避妊手術は、成長と共に小さいわんちゃんに比べると内臓に脂肪がつきやすいため、避妊手術の時間がかかったり傷口が大きくなってしまいます。そのため、少し早めに生後4ヶ月ごろから避妊手術を進める場合が多いです。
今回は、生後1歳での腹腔鏡下避妊手術で実施しました。
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2.犬や猫の鼓膜のおはなし

今回は、耳の内視鏡「鼓膜について」のお話です。厳密にいうと、水平耳道から鼓膜までの構造や特徴についてのお話になります。

外耳炎の時に行われる耳鏡やVOS(ビデオトスコープ)による検査は、耳の入り口から鼓膜までの耳垢の性状や、耳道の状態、鼓膜はどうなっているか?までを観察しています。
特に鼓膜付近の観察は外耳炎の治療にはとても大切な場所です。
鼓膜は、外耳と中耳を隔てる膜のことで、音を振動に変えて内耳に伝える役目をしています。
鼓膜は、上の図の白っぽく見える鼓膜弛緩部と下の半透明の鼓膜緊張部で構成されています。
VOS(ビデオオトスコープ)検査(下の写真(写真左))で見るとこんな感じに見えます。

耳道と鼓膜の付着しているあたりからは、耳毛(写真右)が生えていて耳毛の多い犬種などは耳垢が絡んでしまい耳垢の排出がうまくできずに外耳炎のおこす一因であると言われています。
■耳の部位別の役割
外耳は、音を集音して鼓膜で音を振動に変換をします。
中耳は、音の増幅と耳の防御や排水、換気などの役目をしています。
内耳は、音の振動を神経刺激への変換と旋回の認知、重力を脳に伝える役目をしています。
外耳炎の治療を行う場合は、この鼓膜付近の状態を観察しながら現在どういう状態なのかを耳鏡検査で確認して治療を組み立てていきます。水平耳道(A)は、頭蓋骨に侵入する部分でやや凹んだ構造をしており、この部分が耳垢が堆積しやすい構造をしています。水平耳道と鼓膜の接合する部分(B)も、V字状に少し窪んだ構造をしているため、このAとBの部分に耳垢が堆積してしまい外耳炎がなかなか治らない場合が多いと言われています。また、水平耳道のこの凹んだ部分(A)から、耳毛が生えているため耳毛の多い犬種などは耳毛と耳垢が絡んでしまい外耳炎の慢性化の起因となるとも考えられます。

耳道の構造に特徴のある犬種もいます。パグは一般的な犬種に比べて耳道が狭く、フレンチブルドッグは縦長の構造をしているため耳の病気が多い犬種です。パグもフレンチブルドッグも外毛が硬いため、耳の中に落下した外毛が鼓膜に刺さった状態で観察されこれが痛みや痒み、炎症の原因になっていることもあります。
そして、 慢性外耳炎や再発を頻繁に繰り返していると、脂腺や耳垢腺の過形成などの炎症が慢性化し改善できていないサインが見られる場合があります。改善されない原因は先天的なもの(脂漏犬種、耳毛など)・後天的なもの(内分泌、腫瘍、環境など)など様々な原因があるため、その原因を突き詰めながらなるべく良い状態に改善できるように治療を考えていきます。

鼓膜付近に異常のあった子の例
●1−2ヶ月程前より、耳を痒がっているという子です。


VOSで耳道内を検査したところ、腺の過形成と耳道の狭くなった部分に耳毛を絡めて巨大な耳垢が存在しました。耳道洗浄で巨大な耳垢除去しましたが、鼓膜弛緩部が腫れていました。

●耳垢により鼓膜穿孔の見られていた子
この子も鼓膜の手前に巨大な耳垢が詰まっていました。経過が長かったと思われます。摘出後、鼓膜穿孔が見つかりました。

●真珠腫性中耳炎をおこしていた子

鼓膜が丸く隆起しています。時間はかかりましたが、治療により改善してくれました。

耳洗浄や耳掃除と点耳液や飲み薬を処方されたが、なかなか改善されない場合は、耳の奥に問題がある場合が多いです。
ビデオオトスコープでの耳の検査は、今まで見れなかった所を精細に診ることができます。耳の奥に問題があるときは、原因を除去することによりだいぶ落ち着いてくる場合が多いです。
犬や猫の外耳炎がなかなか治らない場合には、一度観察することも良いかもしれませんね。

〜〜〜こんな症状がみられたら、お早めに相談を!〜〜〜
□耳が痒い
□耳を擦り付けている
□耳が臭い
□耳垢が多い
□耳が赤い
□耳の周りが、脱毛や毛玉がある
□慢性外耳炎と言われている
□洗浄液や点耳液を常備している

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傷口の小さく痛みの少ない犬の腹腔鏡下避妊手術とは?

今回は、Youtubeの動画AI判定により動画が見れない状態になったため、犬の腹腔鏡下避妊手術のご紹介の再投稿となります。

腹腔鏡を使った犬の避妊手術をご存知ですか?
当院では、病気ではない手術(避妊手術)にもっとも負担の少ない手術法として、
2019年に腹腔鏡手術の設備を導入しました。
腹腔鏡手術は、開腹手術とは全く違う手術法のため1から勉強や技術の習得が必要です。
2016年から、腹腔鏡のスペシャリストの獣医師の元で月に数回ほど手術の見学や技術や知識を学び3年目で師匠よりOKをいただいた上で導入し何回かの当院に来院してスタッフも指導していただき無事に導入の運びとなりました。

腹腔鏡手術とは、内視鏡を使った手術法でお腹を炭酸ガスで膨らませてカメラと手術器具を入れてモニターを見ながら行う手術法です。
開腹手術に比べて、傷口が小さく臓器が空気にさらされたり無理にテンションをかけることも少ないため体の負担が少なく痛みもほとんどなく手術を行うことができます。

実際の手術の動画です。
苦手な方は、視聴は、ご遠慮くださいね。


腹腔鏡下避妊手術のメリットは、痛みが少ないだけではありません。
お腹の中全体を除くこともできるため、肝臓や胆嚢・脾臓や腎臓・膀胱などお腹の臓器を肉眼で視診できることも一つのメリットです。
開腹手術では、できるだけ大きく切開しないといけないためこれも大きな利点です。
また、血管も拡大されてしっかりと確認しながら手術を行えるため安全に手術を行うことができます。
上の写真は、胆嚢と右肝臓の確認をしています。真ん中の写真のようにモニターでお腹の中を確認しているので、器具とカメラしかありません。
右の写真のように、血管がくっきりと見えているため安全に止血操作をすることができます。

当院では、ほとんどの腹腔鏡下避妊手術は2ポート法で行っているため術後の傷口は2ヶ所(2糸)になります。
通常の開腹手術との傷口の写真の比較です。
通常の開腹手術では、4−5糸程度の縫合が必要ですが腹腔鏡下の避妊手術では、よほど大きい子宮でない限りは2糸の傷口ですみます。

術後の痛みもなく、当日は元気にほとんどの子が退院していきます。
術後7−10日程で抜糸に来ていただき、抜糸が終われば手術は無事に終了です。

犬や猫の腹腔鏡下避妊手術は完全予約制となります。
手術のご相談やご予約はお電話にて承りますのでお気軽にお問い合わせください。


犬の歯がざらざら、ボコボコしている?歯冠修復(エナメル質)という治療法もあります。

今回は、犬のコンポジットレジンを使用した歯冠修復のお話です。
歯の表面は、硬いエナメル質という層で覆われています。
幼若期にウィルス感染や栄養不足、外傷などの何らかの原因によりエナメル質が弱くなる「エナメル質形成不全」という病気や、硬いものを噛んだりして強い圧力がかかり欠けてしまったり、摩耗してしまう場合など「エナメル質の欠損や摩耗」の場合もあります。

エナメル質の欠損がひどいと、知覚過敏を引き起こして痛みがでてきたり、歯の表面がツルツルではないため、歯垢や歯石もつきやすいため歯周病の進行がはやまったり、ひどい場合には露髄してしまい顔が腫れたりする場合もあります。

犬や猫は、あまり痛みの表情をださないこともあり、いつも通りに見えたり、痛くない方で避けて食べてて気づかなかったりと、見過ごしてしまう場合も多いかと思います。

今回は、エナメル質が欠損した場所をコンポジットレジンというプラスチック製の歯の詰め物を使って修復しました。
治療前の写真
歯石が重度に付着してねばねばした歯垢がかなり沈着しています。
きれいにクリーニングして歯の状態を観察していきます。
歯の中央に大きくエナメル質が欠損しています。
表面を薄くダイヤモンドのドリルで研磨して、コンポジットレジンというプラスチック系の歯の充填材を用いてきれいに整えると右の写真のようにきれいに穴が埋めることができます。

歯みがき時に気づいたりして動物病院で相談しても様子をみてもよいと言われたと相談されるケースも多いです。痛みを感じていないケースでも、歯面がざらざらしているため歯垢や歯石もつきやすくなるため、歯周病の進行を早めてしまうケースも多いです。歯みがきできれいにしやすくなるというメリットもでてくるため、当院では、なるべくコンポジットレジンできれいに整えることをおすすめしています。

現在、歯石取り(+歯科検診)の冬のキャンペーンを当院では行なっております。下記のような症状が見られた場合は、お気軽にご相談ください。

●こんな症状が見られたら、すぐにご相談・ご来院ください。
□よだれが多い、口の中がネバネバしている
□口の中が臭い
□歯石がついている
□歯茎が赤い
□口の中が出血している
□最近、歯が伸びたきがする
□歯がぐらついている
□食欲がおちてきた
□硬いものを噛まなくなった(食べなくなった)
□口を触ると嫌がるようになった

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