犬や猫の歯周病は骨を溶かすとても怖い病気です。

こんにちわ。12月に入り仙台市内も雪が降る時期になってきましたね。
寒暖の差が大きく、寒さになれるまで体調を崩しやすい時期になります。年の瀬に追われて気づいたときにはぐったりしていたというご来院も度々あります。
体調の変化には十分ご注意くださいね。

今回は、歯周病についてのお話です。
来院された5歳のワンちゃん、歯石と歯垢の沈着がひどく口臭もひどいため歯石取りを希望されてのご来院でした。
奥歯周りの歯石と取っていくと、
歯茎が減退して真っ赤に腫れていました。
歯の状態を確認するために、歯科検診を行いながら歯のレントゲン検査も必ず実施しています。レントゲンを撮ってみると…
顎の骨も大きく吸収されていました。このような状態が、何ヶ所かにみられ、この状態だと歯石取りのみではなく、歯科治療も必要になってきます;;

歯周病ってどんな病気?

歯周病は、歯垢や歯石に含まれる細菌が原因で、歯茎や歯を支える組織に炎症を引き起こす病気です。以下の段階を経て徐々に進行していきます。

歯肉炎:歯垢が付着すると歯茎が赤く腫れ、歯みがきをすると出血しやすくなります。
歯周炎:じょじょに炎症が進行し、顎の骨が破壊され始めます。歯がぐらつくなどの症状もこのあたりからみられてきます。
重度の歯周病:歯槽骨の減少が深刻化し、歯が抜け落ちたり、細菌が全身に広がる可能性もでてきます。

顎の骨の減少がもたらす影響

顎の骨は、歯槽骨と呼ばれ歯を固定する土台となる重要な骨です。この骨が減少すると、

  • 歯のぐらつきや脱落

  • 痛みや食事の困難

  • 細菌が血液に入り、全身性の病気を引き起こすリスク

    ※特に心臓や腎臓などの臓器に影響を与える場合もあります。


  • 歯周病の予防方法

    歯周病は予防可能な病気です。愛犬・愛猫の健康を守るために、次のポイントを心がけましょう。

    1. 毎日の歯磨き
       歯磨きは歯周病予防の基本です。犬猫用の歯ブラシや歯磨き粉を使い、優しく磨きましょう。

    2. 定期的な歯科検診
       少なくとも年に何回かは動物病院で歯の状態をチェックしてもらいましょう。

    3. 歯石除去(スケーリング)
       歯石が溜まってしまった場合は、動物病院にて定期的な歯石取りが必要です。

    4. 適切な食事とケア用品の活用
       歯垢を減らす効果のあるドライフードやデンタルケアグッズを取り入れることも効果的です。

      ※当院で歯石取りをされたオーナー様には効果的なケアや予防の方法をまとめをお配りしています。


    まとめ

    愛犬・愛猫の健康を守るためには、体のケアだけでなく歯の健康にも注意が必要です。実は、犬や猫の歯周病は非常に一般的な病気で、3歳以上の犬の約80%が何らかの歯周病を抱えているとされています。この病気が進行すると、歯槽骨(歯を支える骨)の減少を引き起こし、歯が抜け落ちる原因になることもあります。歯周病による歯槽骨の減少は、放置すれば深刻な問題を引き起こします。しかし、適切なケアと予防で防ぐことができます。愛犬が長く健康に過ごせるよう、日々のデンタルケアを取り入れて、早期発見・早期治療を心がけましょう!

    ※当院からのお知らせ
    12月1日〜2月28日まで、毎年恒例の冬の健康診断と歯石取りのキャンペーン中です。年明け以降は、なかなかご予約の取りずらい人気のキャンペーンになります。
    歯石取りや健康診断をご希望の方は、お早めにお問い合わせの方をよろしく願いいたします。

    ⇨⇨⇨ご相談・ご予約はこちらをクリック

    ●こんな症状が見られたら、すぐにご相談・ご来院ください。
    □鼻水や鼻血がでるようになった
    □くしゃみや咳が増えた
    □飲水時に、むせる、咳・くしゃみをする
    □よだれが多い、口の中がネバネバしている
    □口の中が臭い
    □歯石がついている
    □歯茎が赤い
    □口の中が出血している
    □最近、歯が伸びたきがする
    □歯がぐらついている
    □食欲がおちてきた
    □硬いものを噛まなくなった(食べなくなった)
    □口を触ると嫌がるようになった

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犬や猫がくしゃみをする。鼻水・鼻血がでる。口鼻瘻管かもしれません。

犬や猫が、くしゃみや咳をするようになった。
動物病院で薬を処方され飲んでるときは調子良かったけどまたすぐにでてくるようになった。鼻水や鼻血が出るようになった。
など、鼻に問題があるようにみえても、実は歯に問題がある場合も比較的多いです。
今回は、口鼻瘻管のお話です。

3年ほど前から鼻水がでてくるようになりかかりつけ医で高齢のため全身麻酔は難しい。昨年てんかん発作がでてくるようになりMRI検査を2回実施したが低血圧になったため麻酔は難しいと言われ、抗生剤を数年飲んでいるが改善がなくなんとかならないかとの相談です。
来院当日の写真です。左外鼻腔より膿性の鼻汁が漏出してとても苦しそうです。
口の中の写真です。犬歯の前後と粘膜面に白いもやもやしたものが確認できました。
16歳という年齢でしたが、抗生剤の投与にて改善が見られないことと、MRI検査であれば数時間は麻酔をかけているはずのため、術前検査と麻酔時の緊急時の対策をしっかりとしていれば十分治療可能ではないかと判断し検査と治療を組み立てしました。
慢性的に炎症を引き起こしていたため、炎症系の数値はかなり高かったですが、心臓&腎臓、肝臓、止血機能なども特に異常はなく麻酔をかけるには問題なさそうです。麻酔時の対処や中止する状態などをしっかりと説明させてもらい歯科処置を実施しました。
歯科レントゲン検査にて確認すると
左上顎の第3切歯から前臼歯にかけて、骨吸収が認められました。歯周病がひどいため、骨を溶かしてしまい年数も経っているせいか広範囲に口鼻瘻管ができてしまった状態です。
症状を改善するために残念ながら抜歯をしないといけないため原因となっている場所の歯を抜いていきます。
鼻の中にはたくさんの壊死組織がありました。できる限りきれいに取り除いていきます。
きれいに取り除いた直後の写真です。
この後は不良肉芽を除去しながら丁寧に縫合していきます。
縫合直後の写真です。
麻酔時も大きなトラブルもなく血圧も安定してくれたため、しっかりと治療ができました。
今後は縫合部が広範囲のため理解しないように注意深く観察していきます。
術後2週間目の写真です。
縫合部も特に問題ありませんでした。きれいに治りました♪
鼻汁の漏出もバッチリ治っています♪^^

歯周病は歯茎に炎症を起こし歯を支える骨を溶かす怖い病気です。
『犬や猫の口鼻瘻管』は、歯周病により口と鼻を隔てる骨を溶かしてしまい穴が空いた状態になります。
そのまま放置すると、慢性鼻炎や副鼻腔炎、肺炎など呼吸器系の症状を引き起こすこともあります。
抗生剤や消炎剤などの内服により一時的に症状が改善することも多いですが、原因をしっかりと診断をし治療しないと内服のみの治療で症状をおさえるのは厳しい場合が多いです。
今回のケースは、内科的治療で数年間経過したためとてもひどい状態でしたが、できれば症状の軽いうちに治療してあげると犬や猫に対するストレスも少なく治療できます。
歯が原因かもしれないけど薬で落ち着いたから大丈夫。ではなく、歯周病のケアも考えてあげましょう。

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●こんな症状が見られたら、すぐにご相談・ご来院ください。
□鼻水や鼻血がでるようになった
□くしゃみや咳が増えた
□飲水時に、むせる、咳・くしゃみをする
□よだれが多い、口の中がネバネバしている
□口の中が臭い
□歯石がついている
□歯茎が赤い
□口の中が出血している
□最近、歯が伸びたきがする
□歯がぐらついている
□食欲がおちてきた
□硬いものを噛まなくなった(食べなくなった)
□口を触ると嫌がるようになった

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犬や猫の歯石?歯周病?様子を見ても大丈夫?犬猫でも定期的な歯のクリーニングはとても大切です。

春の予防シーズンも中盤となりました。狂犬病の予防接種はお済みですか?
狂犬病注射は、6月までに接種を終わらせることが法律で義務付けられています。まだ予防がお済みでない方は忘れずに接種していただきますようお願いいたします。
春の予防シーズンに合わせて当医院では、毎年フィラリア予防に来ていただいているオーナー様向けに身体検査を必ず行っています。その中に、歯石や歯垢の付き具合や歯周病など歯の状態についても毎年必ず状態をお知らせしています。
今回は、予防に来ていただいたわんちゃんのお話です。

身体検査時に、奥歯の歯のグラつきと歯周病が見られたため後日、麻酔をかけての歯石取りと歯科検診を実施しました。
麻酔をかけた直後の写真です。ぱっと見るとそんなに歯石もついてないし結構きれいではないか?と思うオーナー様も多いのではないかと思います。
よーく見ると、一番奥の歯に出血があり、犬歯周囲に歯垢が歯茎周りについています。
拡大してみると、上のような状態です。どちらの歯も、力を加えると歯がぐらつき歯茎の中から歯垢がにゅるにゅるとたくさんでてきます。
歯のレントゲンを撮ってみると、
奥歯の方は、歯槽骨が炎症により骨が溶けています。犬歯は、乳犬歯が折れて残根が残り、内歯瘻(歯茎に穴が空いている)と口鼻瘻管(口から鼻に穴が空いた状態)が確認されました。
残す治療は難しいため、今回はどちらも抜歯を行います。
ぱっとみて、歯が白いから問題ないわけではありません。意外と重症化している場合も多々あります。歯石だけではなく口臭や歯垢のつき具合、歯や歯茎の状態などいろいろ確認をしながら歯石取りが必要か?麻酔をかけての歯科検診や歯の治療を実施しています。きれいだから大丈夫と言われたけど、本当に大丈夫か不安だと思われた際にはお気軽にご相談ください。

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●こんな症状が見られたら、すぐにご相談・ご来院ください。
□よだれが多い、口の中がネバネバしている
□口の中が臭い
□歯石がついている
□歯茎が赤い
□口の中が出血している
□最近、歯が伸びたきがする
□歯がぐらついている
□食欲がおちてきた
□硬いものを噛まなくなった(食べなくなった)
□口を触ると嫌がるようになった

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犬の足が痒い!趾間炎のお話、薬以外の対処法もあります。

犬の足を痒がる、よく足を舐める、びっこを引くなど、足の指の間の炎症『趾間炎』は動物病院によく来院される皮膚の病気です。
今回は、歯石取りで来院されたオーナー様に、かかりつけで皮膚の治療をしているとのことで歯の診察と共に少し見てほしいと相談され診察しました。

四肢の趾間に炎症が見られます。特に写真の部位は少しジュクジュクしていました。
アレルギーと診断されており内服薬とシャンプー、軟膏などを処方されているとのこと。
基本的な治療はされているようなので、日常のケアの方法などを少しアドバイスさせていただきました。歯の方で治療もあったため2週間後に観察すると赤みが全体的に引いてきています。
もう少し、ケアを継続していると次第に良くなってくるかと思います。
アレルギーやアトピーと診断された場合は、なかなか内服が切れなかったり、サプリメントや軟膏、シャンプー療法などいろいろなケアも必要になってしまう場合も多いです。今回は、歯周病のわんちゃんに多いケースの対策法を少しお話しし、難しいケアではなくとても簡単なケアで治療をしています。内服薬の追加などは行っていません。

歯周病は、皮膚炎など様々なところに影響が及んでいることも意外と多いです。ちょっとした疑問も相談していただくことで皮膚病など一緒に治療を行うことも可能です。お気軽にご相談ください。

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●こんな症状が見られたら、すぐにご相談・ご来院ください。

□よだれが多い、口の中がネバネバしている
□口の中が臭い
□歯石がついている
□歯茎が赤い
□口の中が出血している
□最近、歯が伸びたきがする
□歯がぐらついている
□食欲がおちてきた
□硬いものを噛まなくなった(食べなくなった)
□口を触ると嫌がるようになった

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犬の歯がざらざら、ボコボコしている?歯冠修復(エナメル質)という治療法もあります。

今回は、犬のコンポジットレジンを使用した歯冠修復のお話です。
歯の表面は、硬いエナメル質という層で覆われています。
幼若期にウィルス感染や栄養不足、外傷などの何らかの原因によりエナメル質が弱くなる「エナメル質形成不全」という病気や、硬いものを噛んだりして強い圧力がかかり欠けてしまったり、摩耗してしまう場合など「エナメル質の欠損や摩耗」の場合もあります。

エナメル質の欠損がひどいと、知覚過敏を引き起こして痛みがでてきたり、歯の表面がツルツルではないため、歯垢や歯石もつきやすいため歯周病の進行がはやまったり、ひどい場合には露髄してしまい顔が腫れたりする場合もあります。

犬や猫は、あまり痛みの表情をださないこともあり、いつも通りに見えたり、痛くない方で避けて食べてて気づかなかったりと、見過ごしてしまう場合も多いかと思います。

今回は、エナメル質が欠損した場所をコンポジットレジンというプラスチック製の歯の詰め物を使って修復しました。
治療前の写真
歯石が重度に付着してねばねばした歯垢がかなり沈着しています。
きれいにクリーニングして歯の状態を観察していきます。
歯の中央に大きくエナメル質が欠損しています。
表面を薄くダイヤモンドのドリルで研磨して、コンポジットレジンというプラスチック系の歯の充填材を用いてきれいに整えると右の写真のようにきれいに穴が埋めることができます。

歯みがき時に気づいたりして動物病院で相談しても様子をみてもよいと言われたと相談されるケースも多いです。痛みを感じていないケースでも、歯面がざらざらしているため歯垢や歯石もつきやすくなるため、歯周病の進行を早めてしまうケースも多いです。歯みがきできれいにしやすくなるというメリットもでてくるため、当院では、なるべくコンポジットレジンできれいに整えることをおすすめしています。

現在、歯石取り(+歯科検診)の冬のキャンペーンを当院では行なっております。下記のような症状が見られた場合は、お気軽にご相談ください。

●こんな症状が見られたら、すぐにご相談・ご来院ください。
□よだれが多い、口の中がネバネバしている
□口の中が臭い
□歯石がついている
□歯茎が赤い
□口の中が出血している
□最近、歯が伸びたきがする
□歯がぐらついている
□食欲がおちてきた
□硬いものを噛まなくなった(食べなくなった)
□口を触ると嫌がるようになった

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