傷口の小さい痛みの少ない犬の腹腔鏡下避妊手術とは?

当院では、腹腔鏡を使った犬の避妊手術を行うことができます。
腹腔鏡手術とは、内視鏡を使った手術法でお腹を炭酸ガスで膨らませてカメラと手術器具を入れてモニターを見ながら行う手術法です。
開腹手術に比べて、傷口が小さく臓器が空気にさらされたり無理にテンションをかけることも少ないため体の負担が少なく痛みもほとんどなく手術を行うことができます。

避妊手術の場合の傷口も半分以下に抑えることができ縫合糸もほとんど使わないため術後に傷口を気にすることもほとんどありません。

実際の手術の動画です。

血管も拡大されてしっかりと確認しながら手術を行えるため安全に手術を行うことができます。当院では、ほとんどの腹腔鏡下避妊手術は2ポート法で行っているため術後の傷口は2箇所(2糸)になります。

術後の痛みも少ないため日帰りで退院できます。
術後は7日位で通院していただき、抜糸して手術は終了となります。

腹腔鏡を使った避妊手術は、完全予約制となります。
ご希望される場合は、事前に当院にご予約のお電話の方をお願いいたします。


食道内異物:お出かけ前におやつをあげるときは要注意!わんちゃんも、のどに詰まっちゃいます。

お出かけの前に、おりこうさんでいるんだよと、わんちゃんにおやつをあげたりしてしまうことありませんか?

喜んでおやつを食べているうちに、パパやママがお出かけしてしまう!急いで食べて何とか追いかけようと一生懸命飲み込んでいるうちにのどに詰まってしまうなんてこともあります。

今回は、そんなわんちゃんのお話です。
おやつ(アキレス腱)を与えたら、同居犬とおやつの取り合いになってしまい、取られまいと急いで飲み込んでしまったら、そこから何十回と吐いていると来院されました。レントゲンを撮ってみると、
食道のあたりにおやつがありました。
そのままお預かりして内視鏡で摘出することになりました。

内視鏡を食道の中にいれてみると白っぽいおやつが確認されました。(写真左)
異物鉗子で摘出しようとしましたが表面がふやけていてうまく把持できずなかなか取れませんでした…別の鉗子をつかって何とか無事に摘出できました…
摘出後に食道を観察すると赤くただれ(潰瘍)ています。(写真中)
胃の中も嘔吐の影響でところどころ潰瘍ができていました。(写真右)

摘出したおやつです。5cmくらいのおやつの塊です。


アキレス腱やひづめなど、硬い大きいおやつはこういった異物摂取での閉塞の原因となる場合が度々あります。お出かけの時に留守番の時間の時に長持ちするようにと与えている方が多いようですが、急いで飲み込んでしまい帰ってきたら苦しそうにしていると来院されることが度々あります。

大きいおやつや硬いおやつは、なるべく控えることが良いとは思いますが、どうしても与えないといけない場合は、時間のある時に注意しながら与えましょう。


犬や猫に負担と痛みの少ない腹腔鏡下避妊手術をやっています。

ご報告が遅くなりましたが、今年度より犬や猫に低侵襲(痛みや負担が少ない)な腹腔鏡避妊手術を実施するために、腹腔鏡手術(ラパロ)の設備を導入しました。

腹腔鏡手術は、上の写真のようにポートと呼ばれる直径5mmほど穴をお腹に開けて筒状の管を2−3個設置して、そこからガスでお腹を膨らませてカメラや器具をいれモニターを見ながら行う手術法です。

通常行う開腹手術と比べて、傷も小さく内臓を無理に引っ張ったり空気に触れたりすることもないため内臓の損傷が少ないため、とても低侵襲に手術を行うことができます。そのため術後の痛みも少なく回復もスムーズなので犬や猫にできるだけ痛みやストレスを与えずに行うことのできる最善の方法だと思います。

当院では外部より2名の先生にアドバイザーに来ていただき、腹腔鏡手術を行っております。
先日は、犬の避妊手術・肝生検・膀胱結石摘出手術を行いました。
手術前にスタッフ全員で腹腔鏡手術の準備するものや手技などの説明を受け、手術をスムーズに行えるようにしています。スタッフ達も真剣です。^^
モニター越しに見ているお腹の中を静止画で撮ってみました。避妊手術での卵巣(左)・肝生検(中)・膀胱内の結石(右)
通常だと、黙視やお腹をがばっと開けてみないと確認できないところが鮮明に見えるため、とてもわかりやすく内臓の負担を最低限に手術を行えます。

腹腔鏡避妊手術で実施した術後の傷口です。わかりやすいように避妊手術を開腹手術で行なった場合と並べています。今回は2ポート法で腹腔鏡下避妊手術を行ったので2糸の縫合で行えます。避妊手術であれば通常の開腹手術の傷口の1/2〜1/3程度で行うことができます。

腹腔鏡手術は、手術の傷口が少なく痛みや負担が少なく日帰り手術が可能で治りが早いというイメージが一般的ですが、それ以外にもカメラをお腹の中に入れてお腹の中を観察することができるため、お腹の中全体の状態を見ることができるというメリットがとても大きいと思います。

当院では特に避妊手術での腹腔鏡手術をとてもお勧めしています。
傷口が小さく、卵巣や子宮を無理に引っ張らずに手術を行うことができるため開腹手術にくらべるとかなり痛みの状態が軽減されびっくりするくらい元気に退院されていきます。それと同時に、肝臓や腎臓、脾臓などの臓器も観察できるため見える臓器の健康チェックも一緒にできます。
避妊手術は病気ではなく健康な状態で行う予防的な手術になります。健康で病気でない子にメスをいれて手術をするのであれば、腹腔鏡下避妊手術だと低侵襲で同時に健康チェックもできるため現在おすすめできる最善の方法ではないかと思います。

現在当院で実施可能な腹腔鏡手術は、
・避妊手術
・腹腔内停留睾丸(停留精巣・潜在睾丸)摘出術
・膀胱結石摘出手術
・腹腔内臓器の生検(バイプシー)
を行うことができます。その他の手術などをご希望の場合は要相談となります。
腹腔鏡手術をご希望の場合は完全予約制となりますので、お電話にてお問い合わせお願いいたします。


腹腔鏡手術のもくじ

当院で実際行っている腹腔鏡手術の様子を少しだけご紹介しています。
1.腹腔鏡下避妊手術
   ⇨犬の腹腔鏡下避妊手術の方法
   ⇨
   ⇨

2.腹腔鏡補助下腹腔内停留精巣(潜在精巣)摘出手術

3.腹腔鏡補助下膀胱結石摘出手術
   ⇨

4.腹腔鏡下臓器生検
   ⇨

5.卵巣遺残症候群
   ⇨


犬や猫の吐き気が収まらない。身近な物を食べてしまっている(誤飲)場合もあります。

消化のしづらいものや消化できないものを食べてしまう。異物の誤飲は、犬や猫の内視鏡を使う検査や治療では比較的多い病気です。

今回は、1ヶ月ほど前から吐き気の止まらない猫ちゃんのお話です。
他院で吐き気どめの薬をもらい飲んでいたが、薬を飲んでも吐き気が止まらない。食欲は普通にあるけど、週3回ほど吐いているということで来院されました。
お腹を触ると、痛みがあるようです。レントゲンを撮ってみると、
よーく見ないとわかりづらいですが、胃の中に何かあるようです。
尖ったリング状のもので何か食べていないか聞いて見ましたが、心当たりはないみたいです。

麻酔をかけて内視鏡を挿入してみると
薬の空シート(PTPシート)が見つかりました。そのまま、摘出する処置に入ります。

 

摘出の動画です。



摘出後は胃の状態をもう一度、内視鏡を挿入して胃壁の具合を確認しました。
PTPシートのあった場所は、茶色く変色しており潰瘍がおきていました。
摘出したPTPシートの写真です。

退院時に確認してもらいましたが、猫ちゃんに処方されたお薬ではなかったみたいです。

猫は好奇心がとても強いため、遊びがエスカレートしていくうちに遊んでいるものを飲み込んでしまうことが多いです。小さいものであれば、便(うんち)と一緒に自然に排泄されることもありますが、うまく通過できない場合は内視鏡や開腹手術が必要になるケースも多く遭遇します。

異物の誤飲は、身の回りでよく遊んだりいたずらしているもので飲み込んでしまいそうなものを側に置かないようにすることで予防できる病気です。好奇心の旺盛な子、いたずらっ子は要注意!?身の回りの生活スペースをよく観察してあげましょう。