歯のおはなしの事例集

歯の治療に関しての事例集です。
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事例集以外のまめ知識も随時更新していきますのでお楽しみに♪

もくじ
1.歯周病、歯垢(歯石)
   ⇨2018.10.26重度歯周病(歯石)&菌血症
   ⇨2018.11.16重度歯周病(歯石)

2.歯牙破折
   ⇨2017.09.10右下顎第3切歯破折(犬)
   ⇨2017.10.21左上顎第4全臼歯破折(犬)

3.口鼻瘻管
   ⇨2017.10.09左上顎第3切歯口鼻瘻管(犬)

4.埋伏歯(萌出障害/萌出異常)
   ⇒2017.07.17下顎第1前臼歯埋伏歯(犬)

5.矯正歯科
   ⇒2017.07.28無麻酔矯正法(子犬)

6.歯髄保存治療(歯内治療)
   ⇨
2017.07.28左上顎犬歯抜髄根管治療(犬)
   
2017.10.21左上顎第4全臼歯抜髄根管治療(犬)

7.〇〇○


お盆休みのお知らせ

8月休診日のお知らせ
8月11日(金)午後休診
8月12日(土)通常診療
8月13日(日)通常診療
8月14日(月)全日休診
8月15日(火)全日休診
8月16日(水)全日休診
8月17日から通常通り診察を行います。フードやお薬などもメーカーさんが
お休みに入るため、お早めのご注文をよろしくお願いいたします。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。


僧帽弁閉鎖不全症:元気がない、散歩に行きたがらない、急に咳をするようになったなどの症状には要注意!僧帽弁閉鎖不全症は犬の心臓病の中で最も多い心臓病です。

僧帽弁閉鎖不全症(MR)は、犬の心臓病の中で最も多い病気です。

僧帽弁は、心臓の左側の左心房と左心室の間にある弁で、肺から酸素をもらって来た血液を一定方向に流れるようにロックをかける弁です。肺から新鮮な酸素を血液がもらい、左心房⇨左心室に戻ってくると一気に心臓が収縮して全身に血液を送り出します。この時に「僧帽弁」は肺に血液が逆流しないようにしっかりと閉じていなければいけません。

ところが、マルチーズ、シーズ、ポメラニアン、プードル、チワワやキャバリアなどの小型犬の多くは、加齢とともに粘液変性にて弁が肥厚したり、弁を支持している腱策が断裂したりして血液の一部が左心房に逆流するようになります。発生初期は、無症状で心雑音が聴診できるだけですが、進行すると血液の逆流で肺がうっ血してしまい、呼吸が苦しくなって来て、元気が無くなったり、疲れやすくなって来たりして来ます。さらに症状が進んでくると肺胞に水が溜まってくる肺水腫を引き起こして咳が見られるようになり、呼吸困難や酸素欠乏を引き起こして最終的には死に向かってしまいます。
今回の子は、Tちゃん。
食欲ムラと1ヶ月前くらいから咳をするようになり散歩中も疲れて横になるとと来院された子です。来院した時には、待合室でも咳が聞こえて、診察してすぐに、心雑音が聴診されました。すぐにレントゲン撮影をして心臓の肥大と肺水腫を確認し、エコー検査にて僧帽弁逆流を見つけ投薬を開始しました。



 

 

治療薬には、ACE阻害薬、血管拡張薬、強心薬、β遮断薬、利尿剤などを用います。今回は、循環動態があまり良くなかったため、利尿剤を投与しながら状態を見て何週間かかけて少しずつ薬利尿剤の減薬と内服薬の追加をしていきます。

治療開始0日目(左)→30日目(右)の写真

日常の生活では、ほとんど咳もしなくなり散歩も元気にいっているそうです。
だいぶうっ血も改善され、肺水腫も改善されてきましたが状態も悪かったため通院の間隔を徐々に長めにしていきながら内服薬の調整をまだ調整している途中です。

僧帽弁閉鎖不全症は、治療的には内科療法と外科療法がありますが、外科療法ができる施設は限られており、現在は内科療法がメインで治療されることが多い病気です。内科療法では、弁を治す治療ではなく、できるだけ心臓の負担を少なくして、心筋の変性を防ぐ治療をします。内服をしても徐々に進行して行くので症状に合わせて強心薬やβ遮断薬、利尿剤などの薬を追加していきます。僧帽弁閉鎖不全症は、初期の症状がないときの治療をどうするかが悩みどころの病気です。
心雑音が聴診されたら、レントゲン検査やエコー検査など心臓の状態をまずはチェックして見て適切なタイミングを獣医師と相談しながら治療を始めてあげることをお勧めしています。
当院では無症状期は、半年に1回程度、症状が出始めてきたら3~6ヶ月に1回の定期的な検診をお勧めしています。心雑音が聞こえる、心臓病の症状が改善しないなどの時にはぜひお気軽に、ご相談してください。

 

 


新しいHPスタート!

2017年7月20日より新しいHPとなりました。
2016年4月にて、病院開設10年目となりました。
少し遅れてはしまいましたが、HPもリニューアルオープン♪
色々と情報発信して行きますのでよろしくお願いいたします。

 


犬や猫の歯ならびの矯正法:(無麻酔での矯正法)、飼いはじめの歯の噛み合わせと歯ならびの検査が大切です。

今回は、当院で行っている一番簡単な矯正のお話です。生後間もない子犬や子猫の歯並びの観察をしていると歯ならびの悪い子が比較的多く見受けられます。歯ならびの悪いままの状態でそのまま成長してしまうと、反対側の歯茎に刺さってしまい炎症や痛みを感じたり、上下の歯が当たってしまい口が閉じれなくなったり、削れてしまったりと様々な症状がでてきて来院される場合が多いです。犬や猫を飼い始めに、動物病院で定期的に歯を観察してもらい早めに対処してもらいながらアドバイスしていくと意外に簡単に矯正することもできます。

今回の子は、生後5ヶ月目のチワワのPちゃん混合ワクチン接種の時に来院された際に歯並びのチェックをしましたが、乳歯は生え変わっているものの、前歯の噛み合わせがあまりうまくいっておりません。
特に左側の下顎の犬歯が上顎の第三切歯を押し上げてしまい切歯が前の方に押されています。今回の場合は、麻酔下にて外科的に矯正することもできますが、飼われて間もないこともあり麻酔下での治療を希望されず、幸い邪魔な乳歯もなかったため無麻酔矯正にて経過観察をしていきました。模型や実際にやって見せたりしながら、おうちで毎日やってもらいます。下が一月後の写真です。
右の歯は上手に良い位置に矯正できています。左の歯は、だいぶ良い感じに矯正できていますがあと一歩というところです。再度無麻酔矯正のアドバイスをして、もう一度来院してもらいました。下が、無麻酔矯正から2ヶ月後の写真です。
だいぶ良い位置きています。あと一歩感はありますが将来的に障害がでる支障は避けることができましたし、何よりオーナー様が麻酔をかけることなく矯正できたため満足されていました。無麻酔での矯正法は、歯の根っこ(根尖)の成長が終わる前(生後約11ヶ月頃)までにできる治療です。生後5−6か月頃からが一番良いタイミングです。乳歯と永久歯の生え代わりを観察しながら、

① 乳歯がなければ無麻酔矯正
② 乳歯があれば麻酔下で摘出後→経過観察→無麻酔矯正
③ 麻酔下での乳歯摘出+外科的矯正

のいずれかの治療で永久歯の放出方向を見極めて、治療していきます。歯の成長が終わってしまうと、矯正器具を用いた矯正法や歯を削ったり、切断したり、抜歯をしたりと、物理的に当たらないようにする対症治療での治療となります。大掛かりな治療になるため、矯正器具の煩わしさや、痛みも多くなります。


わかりやすいタイミング的には、飼い始めから避妊・去勢手術をする時期まで、ワクチン接種などで病院に定期的に通う飼い始めの時期に、歯並びや乳歯の状態もしっかりとチェックしてもらいながら、一番その子によって良い歯の環境を作ってあげるようにしてあげましょう。