傷口の小さく痛みの少ない犬の腹腔鏡下避妊手術とは?

今回は、Youtubeの動画AI判定により動画が見れない状態になったため、犬の腹腔鏡下避妊手術のご紹介の再投稿となります。

腹腔鏡を使った犬の避妊手術をご存知ですか?
当院では、病気ではない手術(避妊手術)にもっとも負担の少ない手術法として、
2019年に腹腔鏡手術の設備を導入しました。
腹腔鏡手術は、開腹手術とは全く違う手術法のため1から勉強や技術の習得が必要です。
2016年から、腹腔鏡のスペシャリストの獣医師の元で月に数回ほど手術の見学や技術や知識を学び3年目で師匠よりOKをいただいた上で導入し何回かの当院に来院してスタッフも指導していただき無事に導入の運びとなりました。

腹腔鏡手術とは、内視鏡を使った手術法でお腹を炭酸ガスで膨らませてカメラと手術器具を入れてモニターを見ながら行う手術法です。
開腹手術に比べて、傷口が小さく臓器が空気にさらされたり無理にテンションをかけることも少ないため体の負担が少なく痛みもほとんどなく手術を行うことができます。

実際の手術の動画です。
苦手な方は、視聴は、ご遠慮くださいね。


腹腔鏡下避妊手術のメリットは、痛みが少ないだけではありません。
お腹の中全体を除くこともできるため、肝臓や胆嚢・脾臓や腎臓・膀胱などお腹の臓器を肉眼で視診できることも一つのメリットです。
開腹手術では、できるだけ大きく切開しないといけないためこれも大きな利点です。
また、血管も拡大されてしっかりと確認しながら手術を行えるため安全に手術を行うことができます。
上の写真は、胆嚢と右肝臓の確認をしています。真ん中の写真のようにモニターでお腹の中を確認しているので、器具とカメラしかありません。
右の写真のように、血管がくっきりと見えているため安全に止血操作をすることができます。

当院では、ほとんどの腹腔鏡下避妊手術は2ポート法で行っているため術後の傷口は2ヶ所(2糸)になります。
通常の開腹手術との傷口の写真の比較です。
通常の開腹手術では、4−5糸程度の縫合が必要ですが腹腔鏡下の避妊手術では、よほど大きい子宮でない限りは2糸の傷口ですみます。

術後の痛みもなく、当日は元気にほとんどの子が退院していきます。
術後7−10日程で抜糸に来ていただき、抜糸が終われば手術は無事に終了です。

犬や猫の腹腔鏡下避妊手術は完全予約制となります。
手術のご相談やご予約はお電話にて承りますのでお気軽にお問い合わせください。